2014-04-07

三菱一号館美術館 『ザ・ビューティフル 英国の唯美主義 1860-1900』


ザ・ビューティフル展へ行って参りました。
 
唯美主義とはその文字からもわかるように、ただ(唯)美しくあることのみを願って存在する 芸術 ならびにその運動や理念のことです。

詳しい解説は公式HPへ

「耽美主義」「芸術至上主義」という言葉もあり… はたしてこの三つは全く同じなのか?微妙に異なりそれぞれ違う意味を持つのか?についてわたくし説明出来ません。(笑) それどころか「唯美主義」についてもあやふやです。はい、勉強します。(泣)
 
フレデリック・レイトン《母と子(さくらんぼ)》 1864-65年、ブラックバーン美術館

さて、今回は
Albert Mooreの『真夏』『夢見る人々』、Frederic Leightonの『母と子(さくらんぼ)』が私の目当てでした。
 
『真夏』も『夢見る人々』も『母と子』も、描写力が非常に高く 本当に優雅で甘美でうっとり
 
 アルバート・ムーア《真夏》 1887年、油彩/カンヴァス、196.1×189.6cm、ラッセル=コート美術館
 
アルバート・ムーア《夢見る人々》 1879-82年、油彩/カンヴァス、70×121cm、バーミンガム美術館
 
しかし!!!

『夢見る人々』がどこにもない…!
あろうことか、『夢見る人々』の出展が中止になっているではありませんか…(放心)

三つともフライヤーに掲載されていますし、『真夏』にいたってはメインヴィジュアルとして使われています。
なので私はてっきり このような甘美な絵画が所狭しと並んでいるのだと思っていました。そう期待しておりました。
 
ですが、違いました(泣)

絵画にとどまらず、人々の生活や家具にまで影響し浸透していった唯美主義です。よって家具や工芸品・宝飾品も数多く出展されています。いまや当たり前を通り越し過去になっている唯美主義ですが、当時はある種の大革命だったわけです。その歴史を芸術品と共に学べるのが今回の展覧会という訳なんですね。うむ。

なので、絵画目当てで行った私はちょっとがっかり。

もし私好みにアレンジするならば…
『主題をもたない絵画 〜唯美主義のジャポニズムと新たな美〜 』展になるのかな?なんて(笑)勝手にタイトル製作(笑)

いや、プロダクトが嫌いなわけじゃないんです。
 
 ルイス・フォアマン・デイ 掛時計 1879年、マホガニー、黒檀風に塗装、グリザイユで彩色、60×38×15cm、ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館
 
この時計なんかもう月星好きにはたまらないです。
 
 
というかね、ビューティフル ビューティフルと謳っている割にはそこまで美しくない(笑)と言いますか、煌びやかではないんです。唯美主義。でもきっと、そういうだけの美しさを求めていたわけじゃないんですね。
 


左手前アルバート・ムーア《花》 1881年、油彩/カンヴァス、147.3×46.4cm、テイト
 
アルバート・ムーア《黄色いマーガレット》 1881年、油彩/カンヴァス、65.6×50.2cm、都山市立美術館
 
左奥ウィリアム・ブレイク・リッチモンド《ルーク・アイオニディーズ夫人》 1882年、油彩/カンヴァス、102.2×115.2cm、V&A
 
『母と子』、額縁が独特で存在感ありました。
ゆったりとした服装・屏風・百合の花も唯美主義絵画の特徴のひとつです。
 
フレデリック・レイトン《母と子(さくらんぼ)》 1864-65年、ブラックバーン美術館
 

 
実は今回の展覧会、運命的なんです。

明治27年に建てられたオフィスビル「三菱一号館」を 原設計に基づき復元・竣工することで、「三菱一号館美術館」という美術館へ生まれ変わりました。

明治27年、つまり1894年のことです。
そう、唯美主義 ど真ん中

「三菱一号館」は 唯美主義最盛期に英国で流行した "クィーン・アン様式" の建物なのです。ということは、まさに!唯美主義の作品を観るのにぴっったりの場所

ちなみに設計は 英国人の建築家ジョサイア・コンドル氏でございます。

丸の内エリアに堂々と存在する三菱一号館美術館、とっても素敵な建物と立地なので おすすめスポットのひとつです
木漏れ日の綺麗な中庭がお気に入り!

 
ブック・ビューティフル
 
『真夏』の存在感には後光すら感じました。(笑)
 
アルバート・ムーア《真夏》 1887年、油彩/カンヴァス、196.1×189.6cm、ラッセル=コート美術館
 
 
 
 
お時間ありましたら是非

salut



ザ・ビューティフル
英国の唯美主義 1860-1900

The Beautiful
Art for Art's Sake: The Aesthetic Movement 1860-1900

【会期】〜2014年5月6日(火・祝)
【会場】三菱一号館美術館
100-0005東京都千代田区丸の内2-6-2
【開館】10:00〜18:00(祝日を除く金曜〜20:00)
【休館】月曜(祝日の場合は翌火曜)※但し、4月28日と5月5日は開館(〜18:00)
【料金】大人1,600円/高・大学生1,000円/小・中学生500円


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三菱一号館美術館 展覧会スケジュール
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ヴァロットン ー冷たい炎の画家
2014年6月14日(土)〜9月23日(火・祝)

ボストン美術館 ミレー展 ー傑作の数々と画家の真実
2014年10月17日(金)〜2015年1月12日(月・祝)

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展
〜アメリカ合衆国が誇る印象派コレクションから
2015年2月7日(土)〜5月24日(日)

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※タイトル・会期・内容等は今後変更になる場合もございます。最新の情報はhttp://mimt.jp/へ。
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※会場内の写真は特別に許可を得て 撮影・掲載しております。
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