2015-09-26

鈴木理策展 「意識の流れ」





東京オペラシティアートギャラリーにて開催されていた鈴木理策展。



本当はMIMOCA(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)のに行きたかったけれど、ふらっと四国まで なんて私には出来るはずもなく…
巡回してくれてありがとう~~~~~~

というのも、理策展の開催を知ったのはMIMOCA用に刷られたフライヤーに一目惚れしたからで、かわいい~と持ち帰ったのです。
このフライヤーがとっても良い感じなの!

ということでまずはフライヤーのご紹介から!(笑)



素朴だけど洗練されたデザイン。
もちろん、オペラシティアートギャラリーのと猪熊弦一郎現代美術館のはそれぞれ違う色、違う写真です。
写真が刷られたチラシ じゃなく、写真にチラシが添えてある(貼ってある)と言ったほうが多分正しい。ただの大量刷りプリントと言えども、写真が写真としてある感じ…凄い… 一体誰のデザインなのかしら。

強いて言うなら、一目惚れしたピンクとグリーンの組み合わせのMIMOCAタイプが好きだけど、オペラシティのに使われているこの写真は群を抜いて「常にジューシーな歯ごたえを感じる」系で甲乙付けがたい。(常にジューシーな歯ごたえを感じる……笑 エンドレス・グミキャンディ的味わい、伝わる?笑)


観る度に違う顔をみせる(違う顔を感じてしまう)、だから見飽きない、というか見入ってしまう、それが理策作品。

通常のポストカードより大きいこの大きさで手元にあること、プチ贅沢です。うれしい!
つまりこの二枚が揃ったこの景色は最高~♡







(via: http://www.operacity.jp/ag/exh178/j/gallery.php)


ギャラリーには大きくプリントアウトされた写真が並んでいて、飲み込まれる感覚に陥りました。ギャラリーで見るその一枚の景色はきっと、実際にその場所に立って見る景色よりも刹那的で鮮明で美しい。

一連のテーマ(ないしモチーフ)で撮られた写真たちに繋がりはもちろん感じるけれど、ストーリーを強制するようなことはしてこない。そこに写っているのはとある一瞬であることには間違いないけれど、ドラマティックな決定的瞬間を捉えたもの…ましてや演出された状況を収めたものなんかではない。
写真(映像)というかたちのメディアと向き合うこと、ただ「見る」ことを体験・経験させてくれる感じでした。(言ってしまえば、経験せざるをえない)

「『見るということ』そのものを提示したい」と鈴木理策氏自身も公言しています。CINRA.netと.fataleにてこの真意を知ったのですが、これらの記事を読んでから展覧会へ出発しました。まっさらの状態で作品を受け止めるのも楽しいし、面白いけれど、予習復習することでより理解が深まるのはもっと楽しい。(会場へ向かう途中にもう一読、帰宅してからさらにもう一読)

まだの方はぜひ。
インタヴュー形式の記事です。



一番印象的だったのは「床と水平に設置」してあった作品の、まさにその状態。

(via: http://www.operacity.jp/ag/exh178/j/gallery.php)



この間までMOMATで開催されていた『NO MUSEUM, NO LIFE? これからの美術館事典』展でも、「吊ること」というセクションで 壁と平行か?床と平行か?どちらがその作品にとって自然な状態なのか、と少し言及していました。
壁に掛けることが正解ではないし、その姿を普通と思っていてはだめなのだね…まあ自然な状態で展示するのが正解というわけでもないと思うのだけれど…
今後も展示を拝見するたびに考えてしまう、いや、考えていきたいです。


桜の作品は息をのむ美しさでした。
うそみたいな咲き誇りかた…!

そして、Whiteシリーーズ!最高





この真っ白な中に一枚、実は何も印刷されていないただの白い紙が混ざっているという…から凝視してみたが全っ然わからなかった~
この12枚 額縁が無くてそれも良かった。




なにより、周囲の音や光、風に反応してシャッターを押すという方法にはショックを受けました。非常に興味深い。とりあえず試してみたい次第です。

新鮮な体験が出来た展覧会でした。



鈴木理策写真展 意識の流れ
【会期】2015年7月18日(土)~9月23日(水)
【会場】東京オペラシティアートギャラリー