2015-07-30

Lee Kit 個展 「The Voice Behind Me」 資生堂ギャラリー





資生堂ギャラリーにて開催されていた、リー・キットの個展「The Voice Behind Me」


銀座へ行った際 資生堂ギャラリーへは欠かさずに… と言いたいところだけど、今年の初め「2015年は本当に見たいもの会いたいひと行きたいところへしか行かない!」と宣言し、「とにかく行きまくる」スタイルを廃止したということで(笑)、実を言うとリー・キット展はリスト外でした。

しかし、リサーチ不足と言いますか、ただリー・キットというアーティストを知らなかったゆえリストアップされてなかっただけで、知っていたら絶対行っていたし、次回からは絶対行くに決まってる!(ウインク☆)という感じでございます~(あ、東京近郊ならば)

偶然の出会いって…って、いや、偶然とは違うのだけれど、直感を信じ「ついでに」を行使して良かった~!と。
(ここで言う 直感とは、SHISEIDO THE GINZAに置いてあるフライヤーを見て思った「あれ?これってもしかして私好みじゃ…」という 宙に浮かんだふきだしのことを指す)

↓この余白の無い感じ。文字の端が切れていたりするの、私的に間違いないんだ~



展示内容のレポートは、TOKYO ART BEAT内のReiさんによるものが完璧なので そっち読んでもらえればオッケー!
なんだけれども、一応私なりの観点も(微塵ばかり)あるので、引用しつつ綴ることにします~



入ってまず最初に目に飛び込んできた、ブルーの壁。

ペンキ(もしくは絵の具)を大胆に、フリーダムに、塗ったであろう実際の壁は こってりとした見た目で表面にツヤの無いサラッとしたテクスチャー。そしてhi-の文字。





遠目から眺めていると、そこにある一脚の椅子に かわいらしいおばさまが腰掛けた。
なんと画になること!

リー・キットの作品は、そこに自分を置くことができる。
(参加型 という意味ではない)
非日常的な日常がそこにはあって、溶け込めるのだ そんな気がする。

表現に使われるのは 絵画や映像、既製品など。

絵画というより一つの雰囲気を作りたいと思っている。展覧会が終われば、展示品はレディ・メイド・オブジェクトになる。同時に、アート・ヒストリーもレディ・メイド・オブジェクトになる」とリーさん。

そこに潜む仕掛けはとてもささやかなのですが、こんなにも飽きさせない(資生堂ギャラリーという)空間は初めて。このひとつの空間がひとつの作品として成り立っていました。


さて、今回の展示には新作はもちろん 代表作とも言える過去の作品も展示してありました。


まずはこちら。
展覧会のタイトルでもある「The Voice Behind Me」

直訳すると「背後から聞こえる声」。これまで何度も東京を訪れているリーが、東京という街で感じた空気感からこのタイトルをつけたという。(中略)都会特有の「不安」、「孤独」。そして「呼吸」。それが今回の資生堂ギャラリーでの展示のテーマとなっている。
TOKYO ART BEATより)



縦に長いブルーの色面は、プロジェクターから映し出された光。
近づいてみると、意外にもアウトラインはぼやけていて 細かい格子状の光がその上に(下に?)重なるように映し出されているのがわかる。

「Man in Suit」にも同じような映像が投影されていたので、リー・キット作品の特徴のひとつと言えるでしょう。

キャンバスの網目かなと思ったら、本当にそうらしい。
とても共感できるテクスチャー。



奥の部屋(0.5階の廊下の真下にあたるスペース)は壁一面が作品。というか、この一面はとある部屋の一面かのようなので ひとつの部屋のような雰囲気でした。



というのも、2台のプロジェクターから投影されている この映像は、窓から差し込む柔らかい光と影を捉えたものなのです。
グラフィカルな印象も受けるけれど、その移りゆくさまはとても自然で まるで外からの光が差し込んでいるようでした。

この映像のなかに、資生堂のロゴが密かに描かれた小さな絵画が溶け込むように掛けられてたのだけれど、ロゴ…?見えなかった…!(泣)

この空間 写真に撮ったらピンクアンドブルーになったけど、実際はここまで彩度は感じませんでした。




そして、2006~2011年の約5年間を独特な方法で体現している「Scratching the table surface」も展示されていました。



自宅のテーブルの表面を指でひっかき続けた、というもの。
超非効率かつ無意味、芸術家の特権。


クッションに描かれた、「It really doesn't matter.」「Well, that's just a chill.」
リー・キットらしい。


今度は天井の低いスペースでの展示をみてみたいな~~~



SHISEIDO GALLERY
【住所】 東京都中央区銀座 8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
【開館】 11:00~19:00(日祝~18:00)
【休館】 毎週月曜日
http://www.shiseidogroup.jp/gallery/